大連保税区 (大連大窯湾保税港区) ―中国東北唯一の保税区
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区域性質

      特別優遇政策を実施する総合的経済区域である。国際慣例に基づいて運営され、「中国国内にありながら、関税制度上は国外である」という特性を持ち、税関の監査、管理の下におかれた特別な経済区域である。区内において、免税と保税制度が実施されている。

管理の原則: 第一線は開放、第二線は厳格に管理する。即ち、貨物が国外から保税区に入ることは第一線で開放されており、国外のあらゆる物品、設備は自由に保税区に輸出入することができる (但し、銃器、弾薬、麻薬、ポルノ物品等は除外する);貨物が保税区より国内に入ることは第二線で、中華人民共和国税関規定に従って管理される。
管理方法: 国務院の[1997]48号の文件規定によって管理する。
 
区域機能
1、国際貿易、輸入製品展示;2、倉庫貯蔵、物流、配送センター; 3、生産、加工、仕分け。  
 
区域で設立できる企業
国内外の自然人及び経済法人は保税区で外商独資、中外合弁及び内資企業を設立することができる。企業類別としては貿易会社、加工企業、倉庫貯蔵企業、物流配送企業、商業服務企業及び金融機関等の設立が可能である。現在、保税区工商管理局に登記している企業は2500社である。中には、香港、アメリカ、日本、韓国、シンガポル、台湾、カナタ等40個近くの国家及び地区からの外資系企業は900社に達している。
 
区域市場建設
保税区の貿易機能を発揮する為、保税区管理委員会は企業と連合の形で、大連国際自動車市場、石油化学製品市場、電子機械市場、自動車部品市場、化粧品市場、時計アクセサリー市場、食糧製品市場等十六個、卸し売りと配送を主要な機能とするの専業化市場を設立している。市場運営方式は会員制を採用し、各種市場の会員数は合計400社余りに達している。
 
 優遇政策及び通関制度の比較表
番 号
 
保税区
区外
会社設立
経営範囲:制限なし(生産、加工、
貿易、流通倉庫兼営可能)
設立前経営範囲確定必要(複数業種の兼営は不可能)
2
加工貿易
1.     銀行保証金制度不適用
2.輸出外貨収入の保留は可能
1.銀行保証金台帳制度実施
2.輸出入収入は人民元に両替必要
3
自家用設備等3
自家用輸入生産設備、建築材料、事務用品に関税と輸入増値税は免除される
関連部門の許可で、一部のプロジェクトの生産設備の関税と輸入増値税はが免除できる
4
倉庫物流
1.     流通関連設備、輸送機械(フォーク リフト等)は関税と輸入増値税を免除 される
2. 区内の倉庫は全て保税倉庫扱い
免除できない
税関より、保税倉庫の許可が要る
 
保税港区
 保税港区は国務院にの批准によって設立された港湾作業区とそれに隣合っている特別区域の中に港中作業、物流、加工を集中して、港の機能を持つ税関の特別管轄管理区域である。
 
大連大窯湾保税港区
大連大窯湾保税港区は2006年8月に国務院より正式に許可された。批准された面積は6.88平方キロメートルであり、大窯湾の一期目、二期目、三期目のコンテナー埠頭、保税物流園区、自動車運輸埠頭の一つのバース及び自動車物流園区後方の約40万平米の土地を含む。
 
区域機能
大窯湾保税港区は港湾、物流、加工と貿易展示四つ主な機能を持っている。 次のような業務内容が区内でできる:輸出入貨物また他の関税手続きが完了されてない商品の保管; 保管された貨物についての流通目的の簡単な加工; 三国間貿易を含む対外貿易; 国際調達。、国内販売と配達; 国際中継運送; 商品展示;検査と修理; 開発。、製品加工と製造; 海運。、関連設備レンタルまた貨物置場作業など港湾内作業全般; 税関に許可された他の業務。
 
政策の優位性
 大連大窯湾保税港区は保税区、輸出加工区、保税物流園区三つの区域の政策の優位性と大連港の立地の優位性を一体に集成して、今まで中国における保税物流政策最優遇、機能最完備、立地優勢良い中国特色を持つ自由港である。大窯湾保税港区は保税区と輸出加工区に関する税収と外貨管理の政策を享受される。主要な税収政策――国外の貨物が港区に入り、保税される。貨物が港区より国内に販売するとき、輸入関係の規定により通関手続きをして、税金が徴収される。国内の貨物が港区に入り、輸出とみなされ、税金が還付される。外国から港区内企業に自家用として輸入された生産あるいは物流用の機械や設備、建築資材などの関税と輸入増値税が免除される。保税港区に進出された企業の間で行った貨物の取引については、増値税と消費税が免除される。
 
一期目の計画 
一期目の企画面積が2.8平方キロメートルである。国際物流園区、大窯湾一期目コンテナー埠頭の5号から10号までのバースとそのヤード、二期目のコンテナー埠頭の11号から16号までのバースとそのヤードを含む。
重点的なプロジェクト 多目的公共倉庫A  三階建てで、延床面積8.2万平米である。車輌が高架橋を利用して二階まで行ける。精密機械、電子部品、生物医薬品、食料品とその原料の貯蔵及び流通加工等の付加価値付けのサービスを満足するためのプロジェクトである。
多目的公共倉庫B  二階建てで、延床面積6.8万平米である。CFSと大口物流業務の運営に満足されるためのプロジェクトである。
海上と鉄道の複合一貫輸送プロジェクト  敷地面積19.3万平米、二つの鉄道ライン、4万平米の倉庫、8万平米のヤードなど施設を持つプロジェクトである。
冷蔵物流センター  延床面積が3.7万平米で、3万トンの貯蔵能力がある。地下一階が高温室で、地上四階までが低温室である。温度の制御範囲は-35℃~+5℃であり、各種の冷凍、冷蔵物の保存ができる。冷蔵コンテナー用の置き場が2万平米の2400TEU、専用コンセントが504個である。
 
大窯湾コンテナー埠頭の一期・二期・三期工事、 北岸コンテナー埠頭開発の誘致
大窯湾コンテナー埠頭一期は,大連港グループとシンガポール港務グループに共同開発され、2006年コンテナーの取り扱い量は200万TEUを超えました。大窯湾二期工事のコンテナー埠頭は大連港グループとマスキーグループ・シンガポール港務グループ・COSCOグループの共同開発で、大窯湾南海岸の西側に位置し、岸壁の長さは2000メートルである。あらたに六つのコンテナーバースを建設し、その内の15号バースの水深は-18メートルに達し、現在国内における水深最大のコンテナーバースであり、12000TEUの超大型コンテナー船を停泊することができる。この埠頭は2005年から使用を始り、全体の工事が完成した後、年間取扱い量はあらたに280万TEUを増加する。コンテナー輸送の速い成長の
  
 需要を満たすために、大連港は大窯湾南海岸の残りの海岸線を利用し、さらに6-7の大型コンテナー三期埠頭の建設を計画している。大窯湾北岸には広い陸地があり、水利と地質の条件が良く、貨物の集積と運送が便利である。この辺の海岸は全部大型コンテナー埠頭を建設すると企画している。東、中、西の三つの生産作業区に分けられ、その内、西のバースの水深は-18メートルである。大窯湾北岸にはコンテナー埠頭の岸壁が7キロメートル、21のコンテナーバースが形成するようになり、年間取扱い量1000万TEUのコンテナー専用港ができるようになっている。大連市政府はより一層大連港の競争力を高めるため、外国有力会社の投資で北岸コンテナー埠頭の開発運営のことを歓迎する。 
  
自動車埠頭、自動車物流園区
自動車物流を発展させるために、大連港は世界最大の自動車物流商社――日本郵船株式会社及びホンコンの中遠太平洋会社と合作して、国によって自動車輸入港と指定されたという有利な条件を利用し、大窯湾の奥に5万トン級自動車バースを一つと1万トン級自動車バースを二つ建した。このプロジェクトは、2006年の6月から稼動し、完成後、車の年間取扱い量はあらたに78万台超えることになる。 自動車物流園区は自動車の整備及び部品貯蔵、展示、交易、情報提供と交流、中継運輸、保税加工、ビジネスサービスなどの機能をもっている。お客さんは主に国内外の自動車メーカ-及び自動車輸入業者と代理業者である。自動車物流園区の場所は大窯湾の一番奥に選定し、その隣は大連保税区と大連輸出加工区であり、真っ正面には建設中の自動車埠頭がある。
 
30万トン級原油埠頭、原油化工製品物流園区
30万トン級原油埠頭は今、国内における最大の原油埠頭であり、30万トンの超大型原油運送船の積み降ろしができると同時に、中継輸送のため10万トン級の原油運送船も停泊することもできる。バースの長さは510メートル、水深は-25メートルであり、桟橋は五かけの全長585メートルスチール管のアーチ形をしている。設計上には、埠頭の年間取扱い量が2286トンとなっている。
原油化工製品物流園区 30万トン級原油埠頭を中心とする原油及び液体化学製品の総合的な物流園区であり、その区域の全体の機能と配置は原油及び液体化学製品の運送を中心とし、さらにその後方には貯蔵倉庫、関連生産補助区を配置し、最終的には7000万トンの運送能力をもたせるということである。原油及び液体化学製品運送センター工事、液化天然ガス埠頭の拡張工事、国家原油備蓄基地工事や港区原油物流園区工事などが含まれている。
 
30万トン級鉱石埠頭
大連港の30万トン鉱石専用埠頭は今、中国国内における最大規模の鉱石専用埠頭である。30万トンの超大型鉱石運送船の積み降ろしができると同時に5万トン級の鉱石運送船も停泊することができる。バースの水深は-23メートル、陸地面積は40万平方メートル近くに達し、その最大貯蔵容量は2228トンである。 30万トン級鉱石埠頭 設計上には、埠頭の年間取扱い量が最初は1000万トン、将来は1500万トンとなる。 30万トン鉱石専用埠頭の機能を高めるため、輸入鉱石専用埠頭のほかに、さらに中継バースの建設を計画している。10万トン船舶の停泊と同時に15万トン級の鉱石専用船の卸作業を行なうと設計して、設計能力は年間鉱石を420万トン中継輸送するとしている。
 
北良食糧埠頭、食糧加工物流園区
北良食糧埠頭は遼東半島大連湾東側の西咀に位置し、主に食糧中継輸送、食糧の貯蔵倉庫、鉄道運輸という三つの部分からなっている。港には五つの8万トン級の深水バースがあり、倉庫容量は120万トン、年間食糧を1110万トン中継輸送することができる。さらに、港では食糧の積み降ろ、中継輸送、貯蔵、計量、検査及び食糧情況の観測などにおいて、オートメーション・コントロールを実現させている。北良港は世界でも技術が最もすすんでいて、規模が最も大きく、機能が多い現代的な食糧輸入、輸出の港の一つである。2010年までに、北良食糧加工物流園区は北東アジアにおける食糧(植物油)の中継輸送、加工、貯蔵及び交易の中心になるように努力している。